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「はん、私は本当のことを言ってるだけよ」 ぎゅうっと、抱く手に力がこもった。 「颯吾さんは浮気されて傷ついてんだから、何もそんな追い討ちかけなくてもいいだろ」 別に、浮気されたことで傷ついてなんかいない。そんなのは、とうに諦めていた。 「バカね、知念は軽い男が好きなのよ。それはね、浮気なんかどうでもいいって思ってるからよ」 どうでもいい訳でもない。ただ、ただ…。 「夢見てるだけよ。チャラい男が自分だけを選んでくれたらって、下らない夢を見てるだけ」
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