2940人が本棚に入れています
本棚に追加
「はん、私は本当のことを言ってるだけよ」
ぎゅうっと、抱く手に力がこもった。
「颯吾さんは浮気されて傷ついてんだから、何もそんな追い討ちかけなくてもいいだろ」
別に、浮気されたことで傷ついてなんかいない。そんなのは、とうに諦めていた。
「バカね、知念は軽い男が好きなのよ。それはね、浮気なんかどうでもいいって思ってるからよ」
どうでもいい訳でもない。ただ、ただ…。
「夢見てるだけよ。チャラい男が自分だけを選んでくれたらって、下らない夢を見てるだけ」
最初のコメントを投稿しよう!