3

37/46
前へ
/386ページ
次へ
「颯吾さん…」 「悪い。ありがと」 はあ、と息を吐き出し、池田を見る。 楽しそうじゃないか。俺を泣かすのが目的かよ。 「池田の愛に目眩がしそうだ」 「邪魔がいるから、今夜はこの辺にしといてあげる。近いうちに泣かしてあげるわ」 「けっこう。俺はお前と違って、男以外に泣かされたいとは思わない」 「なら篠原を呼びましょうか?」 一課の同期を思い出し、知らずに顔がひきつる。 「…それだけはやめろよ?」 あいつに泣かされて辞めた奴を、俺は知っている。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2937人が本棚に入れています
本棚に追加