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「颯吾さん…」
「悪い。ありがと」
はあ、と息を吐き出し、池田を見る。
楽しそうじゃないか。俺を泣かすのが目的かよ。
「池田の愛に目眩がしそうだ」
「邪魔がいるから、今夜はこの辺にしといてあげる。近いうちに泣かしてあげるわ」
「けっこう。俺はお前と違って、男以外に泣かされたいとは思わない」
「なら篠原を呼びましょうか?」
一課の同期を思い出し、知らずに顔がひきつる。
「…それだけはやめろよ?」
あいつに泣かされて辞めた奴を、俺は知っている。
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