出逢い?

10/75
前へ
/194ページ
次へ
  しかし、その瞬間私の首筋に当たる何か。 …あれ、何これ? 「あなた何者です? その不可思議な格好……長州の回し者?」 「へ?あのー、長州とか、回し者とか話がよく分からないんですけど……」 彼は、未だに私の首筋に当てた物を下げる気はないらしい。 さっきまでの猫に向けていた優しい眼差しさえ、冷たい視線に変わっていた。 「あのー、話してもいいですか?」 「死にたいんですか?」 「死にたくないから、です!」 なるべく怪しい動きをしないように、目だけ彼を見つめたまま口を開く。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加