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しかし、その瞬間私の首筋に当たる何か。
…あれ、何これ?
「あなた何者です?
その不可思議な格好……長州の回し者?」
「へ?あのー、長州とか、回し者とか話がよく分からないんですけど……」
彼は、未だに私の首筋に当てた物を下げる気はないらしい。
さっきまでの猫に向けていた優しい眼差しさえ、冷たい視線に変わっていた。
「あのー、話してもいいですか?」
「死にたいんですか?」
「死にたくないから、です!」
なるべく怪しい動きをしないように、目だけ彼を見つめたまま口を開く。
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