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改めて手に握りしめている物を見つめる。
手の中には脇差しと、小さな巾着に入った匂袋。
脇差しは祖母の遺品だが、私に預けるように言われていたらしく、両親から通夜の後に受け取っていた。
匂袋はつい最近購入したもので、とても上品なお香の匂いが私を安心させた。
古く格式のある反物屋に置いてあったのが、
何故か気になったのだ。
「さすが、京都だよね。
東京にはあんな所なかったよ。」
なんて、呟いた。
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