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「ふぁぁ…」
わたしはものすごく大きなあくびをした。
眠い…
昨夜、今日小テストあるからずっと勉強していたもんだから、眠くて眠くてしかたがない。
「くぁぁ…」
わたしはもう一度大きなあくびをした。
廊下を歩いてるわたし。
丁度横に階段があるところに差し掛かったところで、『うわぁぁ…!!』と男の子の声がして上を見上げると…
ドタン!!
男の子が落ちてきた…
そしてわたしは男の子の下敷きになった。
『イテテテ…ん?…!わぁぁ!!』
男の子は頭を押さえながら起き上がると下敷きになった女の子に気がついて叫んだ。
『ど…どうしよう;えっと…あ!!保健室保健室!!』
男の子は女の子の体を軽々と持ち上げるとピュー…と走って保健室に向かった。
……
「ん…」
わたしは目をさました。
あれ?ここどこ?
わたしは回りを見渡して、確認した。
見る限り薬とか置いてあるから、保健室みたいだ。
(なんでわたし保健室なんかに…?…あ、そっか…わたし上から落ちてきた男の子の下敷きになったんだ。)
ムクッと起き上がると…
『あ!!』
と大きな声がした。
それと同時に抱きつかれた。
『よかったよかった~(泣)』
といいながら抱きついてくる。
わたしはいきなり抱きつかれてびっくりした。
初めて会った子から抱きつかれたら誰だってびっくりするだろう…
それによく見ると、すごくかっこいいし…
ちょっとラッキーと思っているわたし。
『あ!!そうだ名前!!』
と男の子がいった。
「名前?」
不思議そうにわたしは答えた。
『そう!名前!!僕は、星山鳴海!!』
元気に答える。
「ほしやま…なるみ?」
わたしはもう一度きく。
『そう!なるみ!!なるみくんでいいよ~(*^^*)』
ほんとに元気な子だなぁ…わたしはそう思った。
「あ、わたしは天野愛夢」
わたしも自分の名前をいった。
『あまのあむ…あまのあむ…よし!!覚えた!あむちゃん!!』
「え…あ、うん!」
わたしは突然名前で呼ばれてびっくりした。
『じゃ、お近づきの印に♪』
と言って赤いリボンのついた飴をくれた。
わたしは不思議に思い、「なんで赤いリボン?」ときいたら『ひみつ♪』と笑顔でいわれた。そういえば落ちてきたときも赤いリボンも一緒に落ちてきたなぁ…なんだか、不思議な子…そんなこと考えてると…
『んじゃまたね♪あむちゃん!!』と言って走って去っていった。
これが、わたしと鳴海くんとの出会いだった。
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