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この職に就いた者達は死と隣り合わせであるということはじゅうぶん承知なのだが、今まで生き残ってきた戦友が死ぬのは辛い。隊を率いる隊長としては全滅をまぬがれた事だけをとれば責を果たしたのだが、逆に部下が死に何故のうのうと自身が生き残っているのかと、葛藤する日々は多い。
「隊長は悪くありません!私達の力不足が招いた結果です」
「隊長のおかげで生き残ることができたんですから」
「お前達……」
エージェント達の安堵した様子をしばらく眺めていたが、もう興味を失ってしまったのか青年は視線を逸らし、携帯を取り出すと、最終的な状況報告と、二匹の魔族の件を電話相手に伝える。
建物内は凄惨な光景を残すも、外では変わらず雨音と雷鳴がいつまでも鳴り響いていた………。
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