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サーナイトは物音ひとつたてずに立ち上がった
ユウは目を閉じ、静かにそのときを待った
そして
月に雲がかかった
森を包む闇が一層濃くなったようだった
すると森の一部が白く明るくなった
優しく温かな光だった
一本の木があった
周りには不安げに何かを見つめるたくさんのポケモンたちがいる
爽やかな風が吹いた
月にかかっていた雲が彼方へ流される
森に
ポケモンたちが囲む木に
静かな月光が注がれる
木のもとにいたのは華奢で線の細い少女ではなかった
あるのは傷ついた一人の少年の姿だった
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