序曲は深い森から

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傷ついた少年はふらふらと立ち上がった しかし体の痛みや目眩によって数歩歩いただけでその場に倒れ込んでしまう 少年の腰の辺りが光り、光の中から何かが飛び出してきた 「あーあ、見事に男だねぇ、ユウ。あたし的にはユウは女の子のほうがよかったんだけどな~。」 「お前の好みなんて知らねーよ。俺だってなりたくてなったわけじゃないし。」 起き上がり、周りのポケモンたちに支えてもらっていた少年が声のする方も見ずに答える 「ムウマ、お前もまた勝手に出てきてまた人間の言葉をしゃべって・・・。人に見つかると面倒事になるからっていつも言ってんのに。」 「別にいーでしょ!それにあたしだってちゃんと気配読んで出てきてんだから!ってもユウ、口調までも完璧に男の子だよ。なんかしーんせーん!」 少年の言っていた通り、この少年の周りをふわふわ飛んでいるポケモン、ムウマは人間の言葉を話せる不思議な能力を持ったポケモンである 一般的なムウマがそういう能力を持っているのではなく、彼女だけが特別に持っている力だ ユウの手持ちのなかでは一番の新参者だが、一番馴れ馴れしいのはこのせいでもあった
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