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「どういうつもり!?私のポケモン返して!!」
今少女がいるのは絶海の孤島に立つある高い塔の上だった
少女の前には変わったデザインの服を身につけた人間が十五、六人ほど一人の男を取り囲むようにして立っていた
その男とは、他とは明らかに空気の違う、近寄りがたい雰囲気をまとった男で、片手にひとつのモンスターボールを持っていた
「取引だ、ユウ。このポケモンを返してほしくば俺の言うことに従え。」
ユウと呼ばれた少女は怪訝そうに眉をしかめた
「・・・一体何が望み・・?私に何をしてほしいの?どこかの研究所を襲う?それともどこかの町を破壊する?」
ユウは挑発するように口もとに軽い笑みを含めて尋ねる
しかし目は一切笑っていない
それをどこか嬉しそうに見て男は笑う
「ふっ。まあそう、焦るな。俺の望みは・・・・。」
息をのむユウ
風が吹き抜ける
ユウの額に一筋汗が流れた
「・・・お前の力だ。」
口元に冷ややかな笑みを浮かべ、そう言い放つ
その声は小さく、だが不気味なほどしっかりとユウの耳に届いた
「・・・な、何を・・!?」
刹那ユウの周囲の世界が色を失った
ユウは一歩後ずさる
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