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深い深い海の中で一人の少女は波にのまれ、冷たい海という名の牢獄から抜け出せずにいた
それを助けたのは塔の周りを囲む海の中で、心配そうにユウを見ていたポケモンたちだった
何匹ものポケモンたちがユウを冷たい牢獄から救い出し、空を舞っていた鳥のようなポケモンたちが冷え切ったユウの体を温める
そうして人気のない浜辺に連れていき、そこから森に住むポケモンたちに引き渡して、見つからないように隠したのだった
そして今に至る―――
「・・・にしてもあのマグマ団、特に目立った活動してないから見逃してやってたのに。まさか私を狙ってくるなんてね・・・。」
ユウが、すでに闇に染まった空を見上げ呟く
「出てきて、サーナイト。」
ユウはそっと一本の木の後ろに呼び掛けた
すると木の後ろからばつの悪そうな、しかし心配そうな顔をしたサーナイトが出てきた
ユウはため息まじりにふっと笑い、近づいてきたサーナイトの頭をそっと撫でる
「あなたは昔から・・・テレポートを覚えてから勝手に技を改造させて強化させて・・・。モンスターボールから勝手に出られるようになるばかりでなく、預けたパソコンからも勝手にでてくるようになって。」
サーナイトが照れたように恥ずかしがる
「って勝手に出てくんのは他の子も同じか。・・・私は甘いのかな、やっぱり。」
ユウが悲しそうな辛そうな顔で笑う
サーナイトはかける言葉も見当たらず、ただユウを見つめることしか出来なかった
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