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?「あ~…やっと終わった」
周りの同じ学年の生徒たちも似たような趣旨のお喋りを始める。
緊張感から放たれた私も、それに流されるように大きな伸びをした。
今日は4月の始業式。
学年も1つ上がり、私も2年生となった訳だが。
?「あとはクラスか。えっと私は…」
?「うわーん! 夏と離れちゃったよ~!」
?「うわわっ…!?」
クラス分けのボードに気を取られていた私は、横から誰かの、割と助走のついたタックルを受ける。
重心をもろに崩してしまった私は床に転び、そいつは私に覆い被さるような形で上に乗っかっていた。
?「痛っ、…おい、茉莉!」
?「あーごめんね~。つい勢いついちゃって」
スカートを払い、立ち上がる2人。
?「…ったく、何なんだ。そんなにはしゃいで。小学生かお前は」
?「だってだって~」
私がそう聞くと、茉莉はわざとらしいほど悲しそうな顔をしてこう言う。
茉「ほら、私はA組。夏穂はB組」
夏「あー…確かに。違うクラスになったみたいだな。で?」
茉「でって、夏は何も思わないの!?」
夏「何で?」
茉「ええっ、私たち今までずっと同じクラスだったじゃん! 別れて寂しいとかないの?」
夏「うるさいのがいなくなって、ちょうどいいかなって」
茉「…天を仰ぐのやめてよ!?」
夏「冗談。ちょっとは寂しいかなって思ってる。でも教室は隣だし別に会えなくなるわけじゃないし」
茉「そうだけど…。クラス違うと宿題の内容が変わってくるから、夏の写せないじゃん」
夏「やっぱりそういうことか。小学生か」
茉「小学生じゃないよ」
夏「分かってるわ!」
茉「あはは。…あ、チャイム」
夏「じゃ、今からホームルームの時間だから」
茉「うん。また放課後。校門前でね~」
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