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放課後。
今日は学校はお昼まで。
授業が終わると私は少し寄り道をして、茉莉の待つ校門前へと向かう。
夏「お待たせ」
茉「おお、なんか遅かったね」
夏「ああ。ちょっと1年生の教室に寄ってたよ。なんかまだホームルームやってるみたいだった」
茉「そっか。まあ新入生だから、色々話とかあるんだろうねぇ~」
夏「オリエンテーション受けてるのかもな。春風はまだかかりそうだから、私たちだけで先に帰るか?」
茉「うん」
春風。彼女は私の幼なじみ。
今年から新しく私たちと同じ学園に通うことになった。
私たちの一つ年下だ。
今日は残念ながら一緒に下校することは叶わないようだ。
彼女には悪いと思いながらも、私と茉莉は2人で先に帰路に就くことにする。
とはいえ私の家は…、
茉「ねぇねぇ。今日も夏の家に遊びに行ってもいい?」
夏「ああ。別に良いけど」
茉「じゃあ、お昼食べたらすぐに行くよ。じゃあねぇ~」
夏「ああ。また後でな」
学校のすぐ隣りにあり、2人で一緒に下校する意味はさほど無いのだが。
嬉しそうに手を振る茉莉に、私も手を振って一度別れる。
どうもあいつは寂しがり屋で、いつも誰かと行動を共にしないと嫌らしい。
まるで人懐っこい猫みたいに。
こんな短い帰路の時間でさえ、私とお喋りをしたいらしい。
相変わらず面倒くさい奴だ。
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