■01:桜と楽器とチョコレート

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夏「えっと、確か冷蔵庫に冷凍のたこ焼きが…」 帰宅し、空腹を満たすお昼を冷蔵庫から探し出し、レンジにかける。 そして解凍されたたこ焼きをお皿に盛り、爪楊枝で頬張ろうとした時だった。 庭の方から誰かの視線を感じた。 茉「………………」 夏「ブフォッ」 茉「開けて~」バン バン 茉莉がベランダのガラス戸に貼りついていた。 夏「また何やってんだお前は。勝手に庭に入るなっていつも言ってるだろ」 茉「学校側から冊乗り越えれば入れるんだもん」 夏「入れるんだもん、じゃなくて! 不法侵入だぞ! ていうかお前、お昼食べに寮に戻ったんじゃなかったのか?」 茉「それがさ~、今日は家何も食べるもの無かったよ忘れててさぁ…」 夏「コンビニに寄って買えよ」 茉「いやぁ、今月末に出るアニメのブルーレイBOX予約したらお金無くっちゃってね」 夏「買うものの優先順位間違えてるだろ。ていうかお金は親の仕送りだろ。そんな風に使っていいのかよ」 茉「いいのいいの。その分生活費は節約してるから」 夏「いや、だからそういうことじゃ…」 茉「たこ焼きちょうだい」 夏「あ、こら、人の話を」 茉「う~ん、うまい。もいっこいい?」 夏「…はぁ。分かった。カップ麺今から作るからそれ食べな」 茉「お~、さすが夏。私のご主人様」 夏「私はお前の主人でもないし、飼い主でもない」 茉「私ここに棲みついちゃおうかな」 夏「やめてくれ。身が持たん」 ケトルで湯を沸かし、カップに湯を注ぐ。 夏「ほら。もう3分経った」 茉「ありがとう」
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