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最近やっとサイコの手に慣れてきた。
鼓動は相変わらず高鳴るが、サイコの温もりや声に言いようのない安心感を覚える。
「今日は、また大学病院へ?」
サイコは時々大学病院に行っていた。
数年前、ある事件に巻き込まれてから意識の戻らない母の世話をするためだ。
「はい。今日も目は覚ましててくれなかったけど・・・」
悲しそうにサイコは笑った。
違和感があった。
汗ばむ季節になったというのに、相変わらずサイコは長袖のカーディガンを羽織っていた。
顔色もすごく悪い。
脱がせた服を片づけようと再び近づいたサイコの頬に何気なく触れた。
「大丈夫か??顔色がわるい。暑いのに上着なんか着て・・・風邪とかじゃ無いのか??」
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