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かすかだったふるえが徐々に大きくなり、嗚咽が混じる。
天井を見るたびに廻っていた想い。
サイコの笑顔に幸せを感じつつもいつか失うという恐怖感。
やっと何かを得たのに、また何も残らないかもしれないという不安感。
死。
冷たく、重々しく目の前に立ちはだかるもの。
それは刻一刻と現実味を帯びてきている。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
怖い。
怖い。
怖い。
狂ってしまったのだろうか?
涙があふれて止まらない。
声があふれて止まらない。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
怖い。
怖い。
怖い。
サイコは俺を抱きしめた。
「大丈夫だから!!私がいるから!!ずっと…ずっとそばにいるから!!」
サイコは俺の髪をなでた。
「あなたを…独りにしない…。約束する…」
徐徐に落ち着きを取り戻していく。
俺は子供のようにつぶやき続けた。
「本当に…俺を独りにしない…?」
「しないよ…」
「本当にずっとずっとそばにいてくれる…?」
「ずっと、そばにいるよ…」
「本当に本当なんだよね…?」
「うん…本当に本当…」
子供をあやすようにサイコは答え続けた。
俺は長く息を吐くと、かすかに動く手をサイコの背中にまわして目を閉じた。
「…よかった…」
ずっと こうしたかった。
ずっと こんな風に言われたかった。
きっと 俺はずっとずっと 探していたんだ。
消えない
壊れない
大切にしたい何かを。
それは紛れもなくサイコだった。
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