プロローグ

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呼吸が荒い優しそうな顔をした夫婦は 泣きじゃくる子供を安心させるようやさしく抱いていた 父親は朦朧とするなか泣く男の子の頭を 痛むのを我慢して撫でながら弱々しく語りかけた 「雀夜」 「グスッ…なに"?」 「お前は…お兄ちゃんだからっ…」 父親は痛みに眉間にシワをよせたが呼吸を整え 「しっかりと…」 「う"ん…」 雀夜は泣くのを一生懸命我慢して聞いていた 「真姫を…守るんだぞ…」 雀夜は落ちそうになる涙を手で拭いながら 「う"ん…守るっ!!」 はっきりと返した その返事を聞いた父親は安心した顔になり 「後は頼んだ…」 そう言って微笑みながら目をとじた… 「パパ?」 「パパっ!!」 雀夜は泣きながら何度も父親を呼ぶが 父親は起きることがなかった…
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