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いち
代わり映えのしない毎日に嫌気が差して、出掛けた街。
フラりと寄った、廃ビルの前に5、6人の人影。
怒号と喧騒の声に興味を持って、物陰から伺った。
そこでは、頭の悪そうな大人たちに1人の少年が囲まれていた。
真っ黒なパーカーのフードを目深に被っていたから顔は良く見えなかった。
「・・・ッ!」
いきなりガラの悪い奴らが少年に殴りかかる。
ガンッ
鈍い音が響いて、思わず目を背けた。
警察に連絡しようかと思った時、
フードを脱いだ少年が俺の横を通り過ぎる。
「?」
何があったのかと振り替えるが、
その場には、数人の大人が倒れているだけだった。
・・・あいつが、倒したのか?
既に姿の見えなくなった少年を思い浮かべる。
――――ああ、やっと見つけた・・・・・・・・・・・・・・・俺の光。
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