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「ロキを倒す。私はその為に今日まで鍛えてきた。今さらその問いは愚問だ」
「俺の家族に手ェ出す奴は許さねぇ」
紗南と泰は互いにロキへの借りを返すことに闘士を燃やす。
「……(カキカキ)」
{仲間のために戦うなら、それ以上の理由はいらない}
「わ、私は……その、絢斗さんと――ゴニョゴニョ…………と、とにかく私も戦います!」
二人もハッキリと戦う意思を伝えた。
絢斗の表情はまだ固く、全員を値踏みするように見てから最終確認を取る。
「本当に、いいんだね?」
全員が頷く。
「…………わかった、本題に入ろう。
まず、僕ら【人間】が悪神の脅威から“生き残る”には大小はあれど“群”が必要となる。
その為に僕はこの一ヶ月で五家独自の連合を作ろうとしていたんだ」
真剣に語る絢斗を見て、藍那は思わず姫華に小声で話し掛ける。
「……な、なんか壮大な話だね」
魔術師の力を得ても女子高生
人類の生き残りと言われてもピンと来ないのだろう。
「……(カキカキ)」
{近いうちにラグナロクが起きてそれも現実になる}
「えぇ! じゃあどちらにしろ戦わなきゃ駄目なんじゃ!?」
「藍那ちゃん、ちょっと黙ろうか?」
大事な話の最中に騒がれ、絢斗は少し不機嫌そうにそう言った。
「す、すいません……」
絢斗に叱られて落ち込む藍那
「……(カキカキ)」
{要は、短い平和を謳歌するか? と問われただけ}
追い討ちのような姫華の回答に、藍那は一人気分が落ち込んでいく。
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