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面接を終えて一度家に戻り、荷物を持って向かったのはバイト先の居酒屋。
「おはようございまーす」
「おー」
緩い返事を返したのは、一応ここの店長。
荷物を置き、エプロンをつけると、手際よく開店準備を始める。
居酒屋といっても、カウンターと座敷が2席の、店長とバイト一人でまわしてるアットホームな店だ。
「こんばんわ~!」
ガラッとドアが開くと同時に、元気な声が飛び込んできた。
「あれ、結衣?!」
声の主はもう一人の親友、結衣だった。
「えへへ~。仕事早く終わったから来ちゃった」
真冬だというのに、素足でショートパンツを履きこなす彼女に目を奪われる。
「すいません、店長さん。こんなに早く来ちゃって」
えへへ、と笑う彼女は27歳とは思えない可愛さだ。
「もう開けるところだったから、気にしないで。華の準備がトロいだけだから」
「アンタが団体の予約伝え忘れてたからでしょーが!!」
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