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心の中で呟いたつもりが声に出していたらしい。
私の間抜けな声が寒々しい空間に響いた。
ボロボロ帽子の人がこっちを向いた。私と同学年っぽい、整った顔が現れる。女の子だね。
「あなたが、この部活の部長?」
彼女の声は予想とは違って、かなり低い声だった。
微妙に掠れたような、心地良いトーン。
「はい。長崎美優っていいます……あなたは入部希望の子ですか?」
「うーん、どうなのかな……」
困ったような彼女。
「そ、その、先生に部活に入るように勧められて。地味部なら入っても馴染めるんじゃないかって言われたから」
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