空はいつまでも遠く、

6/8
前へ
/25ページ
次へ
そんなこと言われてもねぇ。 人と馴染めない私が変な帽子の人といきなり仲良くするとか……できないよ? 「あのっ……」 帽子の人が控えめに声をかける。 「詩を……書いてるんですか?」 なぬ!? なんでこの人そんな事知ってるわけ!?エスパーか!! 自然と戦闘態勢になる私。 「なんで知ってるんですか?」 「そこに置いてあったので……気になって読んじゃいました」 彼女が指で示した方向を見ると、笑うしかないくらい無防備に広げてある数々のポエムノートが。 「私の青春の恥が……」 そのノートには私の妄想力の全てが詰まっているのに。 「読んで感動しました!!」 「ふぇ?」 驚いて彼女を見ると、彼女はボロボロ帽子で隠れそうな目をキラキラと輝かせている。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加