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「……もしもし。」
少し低めの凛とした声で機械、もとい携帯に耳をあてる。
『おや。声がいつもより低いな。二回目の電話で出ると言うことは邪魔したかな?』
「そう思うなら早く用件をいったらどう?」
『もしかして、不機嫌かな?』
ちっ。
先ほどの一瞬の妖艶さはどこへ消えたのか、彼女は荒々しく髪をかきあげながら舌打ちをする。
電話相手はいつもこういう話し方をする。
分析から始まり、分かりきっていることをゆっくりとしゃべる。
学者であることが関係しているのかもしれない。
......だが、イライラさせられることこの上ない。
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