出会いと再会

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しばらく泣いていたら気持ちもすっきりして、お腹がすいたのできゅうりを丸ごとかじった。 味は現代にいた時よりもおいしく感じられた。 腹ごしらえをしてからもう一度お堂に入り、着物に着替えた。 幸い、習い事をしていたから着物は自分で着られる。 なんとなくこの時代に適応しつつある自分がおかしくて、また笑えた。 そうして着替えた私は今まで来ていた服を綺麗に畳んでお寺を出た。 また服を隠しに例の場所に行くためだ。 例のお堂に行く間、不思議なことに誰にも会うことはなかった。 だが昨日とは違って人の声などが遠くから聞こえて、そのことにちょっと安心した。 お堂の中にまた見つからないように服を隠すと、私は街へ繰り出す。 さっき気がついたのだが、袖の中に少しばかりのお金が入っていた。 これもきっと〟彼〝の配慮だと思う。 そんなことするなら早く現代に返してよ、とも思ったが、せっかくのチャンス。 私は江戸時代の京見物をすることにした。 こういう割り切った所は本当に父譲りだな、と思った。 .
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