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屯所から出てしばらく歩いていると、後ろからいくつかの気配を感じた。
浪士組の敵、か。
この殺気だだもれな感じは優秀な浪士組隊士たちではないと思う。
私はまだ気づいていないふりをしてのらりくらりと歩く。
後ろは段々と距離を縮めながらついてくる。
どうやら私をしとめるつもりらしいので、彼らを撒くために私は細い路地にひょいっと入った。
すると揺れる後ろの気配が四つ。
すぐさま私が屋根に上って気配を消すと、バタバタと路地に入ってきた四人。
「くそっ!気づかれていたか!」
「探せ!まだ近くにいるはずだ!」
「相手は壬生狼からでてきた!何か情報を持っているはずだ!」
「何が何でも捕えるんだ!」
4人がそれぞれ殺気だって口走っている。
そんなに大きな声で話してると目的ばれるんじゃない?
と思いながらしばらく屋根に身をひそめていた。
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