代償

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「近藤さん!失礼するよ!って、やっぱり!俺の言った通りだったろ?」 「ああ!流石左之!お前の女に対する嗅覚は半端ねぇな!」 見事的中。 ワイワイと中に入って来たのは二人だった。 「香夜!お帰り!大手柄だって?」 「ただいまです。いえ、別に大手柄ってわけじゃ。」 永倉さんに思い切り背中を叩かれ、ちょっと痛いなと思いながら答える。 「なんだよー。もう袴に戻ってんのかー。新八にも見せたかったぜー!あの色気ムンムンの香夜! 俺は思い出すだけで息子が元気になる!」 「……切り取りましょうか?」 私の肩を抱いてグイグイ引き寄せる原田さんに笑顔で尋ねると、さーっと顔を青くしてゆっくりと私から離れて行った。 「で、でもよお。なんで総司は泣いてるんだ?」 永倉さんが話題を変えようと総司を指さす。 総司はまだぐすぐすいっている。 「ああ。昨日私が一時帰営していたこと知らなかったんですよ。それでいじけちゃって。」 私が淡々と説明すると、総司の泣き声がまた大きくなった。 .........地雷を踏んだようだ。 .
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