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「ありがとな。大学で食べるわ」 「えー、今感想言ってくれないの?」 「……詩絵の料理は何でも旨いから大丈夫だと思うよ」 早くここから去りたい一心で、誉めて誤魔化す俺。 でもまあ、本当のことだ。 「んー、そっか。そうだよね! 何か安心した」 詩絵は俺の言葉に、ぱっと笑顔を見せた。思わず俺も微笑む。 そんなとき、横を通りすがった女子大生がこそこそと隣と話をしているのが聞こえてきてしまった。 「何あのカップル、超いい感じ。うらやましいんだけど」 「あたしもあんな彼氏欲しいー」 「ね、送り迎えして欲しい」 ……。 それが事実だったらどんなにいいか。 「あは、樹目立つから噂されちゃったね」 「……二股だと思われるの詩絵だからな」 俺はそれでもいいけど。 「ハイ、気を付けます」 「はは、よろしい」 詩絵がビシッと敬礼をしてみせたのがあまりに可愛くて、思わず笑ってしまった。
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