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「はぁ~…」
「あの、黒鴉さん?
頼みますから僕を出来の悪い息子を
見るような目で見るのは
やめてもらえません?」
正直、結構辛い…
「君が他人からの
評価というものを気にしていたとは
このボクとしても驚きを隠せないが、
これだけは言わせてもらおう。
ボクは君みたいな息子は要らないし、
仮にもし何かの拍子で
間違いが起きたとしても
中身がこぼれないように新聞紙に包んで
富士の樹海にでも
棄ててきてあげるから安心したまえ」
…怖過ぎるわ!!
「やめてください!
その行動は現代社会の日本において
犯罪以外、何物でもありません!」
「…それもそうだね。
たしかにこのご時世。
不法投棄は重大会問題になって
しまっているからねぇ~」
ビックリだ!
僕がゴミだという前提で
話が進んでいる!?
「何を言っているんだい?
神前君。それは流石に
ゴミに失礼だろう?謝りたまえ」
全国の粗大ゴミの皆さん
申し訳ありませんでした!
「はぁ…」
なんか人生において
最大の屈辱を受けた気がする…
地図が読めないというだけなのに…
「おや?神前君。
ため息なんてついて
一体全体どうしたんだい?
君の幸せが逃げようと、君の魂が抜けようと、
ボクには
知ったこっちゃないけどね
いかなる理由があろうとも
無駄に必要以上の
二酸化炭素を排出するのは
感心しないねぇ
ただでさえ、酸素を吸うという
重罪を犯しているというのに」
「僕は息することすら
許されないのですか!?」
「何を言っているんだい?
1つ目の『す』が余計だよ」
「生きることすら
許されていないだと!?」
それに
その台詞をお前が言うな
「ボク?ボクはいいんだよ
二酸化炭素を吸って
酸素を出すという
離れ業が出来るから」
―人はそれを植物と呼ぶ。
…いや、光合成の方が正確か?
まぁ、どちらにしろ
たしかに『離れ業』
であることには
変わりはないのだが…
上に『人間』という
単語を付けたいのは
僕だけだろうか?
…人間離れ業
ちなみにそれぞれの単語を
英語にすると、
ヒューマン・
ディタッチ・テクニック
…予想以上にカッコいい!
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