其ノ異血

7/8
前へ
/8ページ
次へ
「はぁ…まったく、 ちょっと からかっただけなのに 君という人は… もう少し冷静に 対処できないのかい? 君は知らないかも しれないけれど 人とその他大勢の種族の 一番の違いは、 理性の有無なのだよ?」 「…それは、ボクのことを 遠回しに侮辱してません?」 「何で気付いたの!?」 「マジかよ!?」 本日二度目のビックリだ! 当たっちゃったよ! そんなことはないと 信じてたのに! ……2割くらい 「まぁ、冗談はさておき、 神前君。 ボクは事務所を出て 東に進めと言ったよね? さて、ここで質問。 右か左か、君は一体 どっちに進んだんだい?」 「…それは、え~っと…」 はてさて、どっちだったかな… たしか、帰ってくる時に 右側にレストランがあったから… 「左です。間違いありません」 「まったく、君の記憶だろ? 間違いもヘチマもないよ それとも正解を 期待していたのかい? そうだとしたら それは早とちりというものだよ 残念ながらね」 「はぁ…」 こいつは何を言っているんだ? 正解?早とちり? なんのことかさっぱりだ 「いいかい?神前君?」 すると黒鴉がまるで 出来の悪い子供に 親がそう諭すように 静かに言葉を紡いだ 「…東は右だよ?」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加