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「はぁ…まったく、
ちょっと
からかっただけなのに
君という人は…
もう少し冷静に
対処できないのかい?
君は知らないかも
しれないけれど
人とその他大勢の種族の
一番の違いは、
理性の有無なのだよ?」
「…それは、ボクのことを
遠回しに侮辱してません?」
「何で気付いたの!?」
「マジかよ!?」
本日二度目のビックリだ!
当たっちゃったよ!
そんなことはないと
信じてたのに!
……2割くらい
「まぁ、冗談はさておき、
神前君。
ボクは事務所を出て
東に進めと言ったよね?
さて、ここで質問。
右か左か、君は一体
どっちに進んだんだい?」
「…それは、え~っと…」
はてさて、どっちだったかな…
たしか、帰ってくる時に
右側にレストランがあったから…
「左です。間違いありません」
「まったく、君の記憶だろ?
間違いもヘチマもないよ
それとも正解を
期待していたのかい?
そうだとしたら
それは早とちりというものだよ
残念ながらね」
「はぁ…」
こいつは何を言っているんだ?
正解?早とちり?
なんのことかさっぱりだ
「いいかい?神前君?」
すると黒鴉がまるで
出来の悪い子供に
親がそう諭すように
静かに言葉を紡いだ
「…東は右だよ?」
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