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…適材適所という言葉にも
あるように
人間には誰しも
得意不得意、得手不得手、
好き嫌いがあって当然だと
僕は思う
そのために
人は助け合い、支え合うのだと
「馬鹿を言うんじゃないよ
神前君。
それは他人に
依存することでしか
生きていけないということを
自ら認めているだけの
ことじゃないか。
ちっとも美しくない。
そんなの寄生虫と
同じじゃないか。
虫けらだよ」
…僕はこいつが大嫌いだしな
「で?
言い訳はそれだけかい?
それなら
早く準備をしたまえ。
まったく、君のせいで
ボクが出歩く羽目に
なってしまったじゃないか。
いやはや
まったくもって不愉快だよ」
お前に
その感情があるなら
今すぐに服を着替えろ、
こっちの不快度も察しろ、
一緒に出歩く
人間の気持ちを
考えたらどうだ、
不平不満は止まらない
しかし今回に限っては
少なからず僕自身にも
非があるため強く言い返せない
「…黒鴉さん。
外はかなりの気温ですよ?
流石にその格好では
暑いのでは?」
暑苦しいから脱げ!、とも
言えるわけもなく
さりげなく
注意を促してみる
「嫌だね。断固拒否するよ。
これ以外の
服を着るくらいならば
ボクは全裸でいい。
君に選ばせてあげるよ。
どっちがいいかい?」
…はぁ
「…わかりました。
だから巫女服の襟に
手をかけるのを
やめてください。
僕もこの年でブタ箱に
ぶち込まれるのは
嫌ですから」
そうかい、と
残念そうに襟元を直す黒鴉
…残念がるなよ
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