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綺麗な夕焼けを映す川の岸に寝ている、少し癖の付いた銀髪の少年が一人。
「アル!!」
そう言われて、飛び起きた。
「ロビンが気付いたようだぞ」
金髪で黒いゴスロリ風の服を着た女性“シェイド”に言われると、アルと呼ばれた少年は、すぐに支度を始めた。
「ノアのことは、あくまで仮契約だという事を忘れるなよ」
「わかったー」
アルはふと言う。
「エリスは?」
シェイドは答えなかった。
「まいいわ。ちゃんとシゴトはやるさ」
アルがそう言うと、シェイドの顔からは後悔の念が読み取れた。
(……ウルの意思は…わかってるはずだろ?)
シェイドの頭に声が響く。
(……ウルの意思は……僕達でも叶えられる……だから…そんな顔しないで……)
「聞いたか?オレが“ヘマ”しなけりゃ何とかなるってこと」
「その“ヘマ”が一番怖いように感じたが?」
「ははは……」 アルは苦笑していた。
だが、シェイドは少し和やかに微笑んで考えた。
――あくまでアルには、気をつけなければ
青紫の髪をした少年が、近くの橋から見ている事を、
アルとシェイドは、知っているのか、いないのか…………。
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