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次に、私が意識を戻したのは何かとてもふかふかしていて温かいものの上だった。
体中の痛みも、多少残ってはいるがだいぶマシになっていた。
そして、頭には何かヒンヤリとした感覚がある。それは冷たいはずなのに心地好く感じている。
うっすらと目を開けてみた。
そこに見えたのは見覚えがない天井と清潔感の漂う部屋の中だった。
どうやら、私はベッドに寝かされているらしい。
……
-ガチャ
微かにドアの開く音が聞こえそちらの方にゆっくりと目をもっていくと、
「やぁ、目が覚めたかい?」
そこには、私が意識を手放す直前に見たあの金髪の髪が目に入った。
見た目はまだとても若そうだった。
二十歳くらいだろうか。
その人は私のすぐ側までくるとベッドの近くに合った丸椅子を持ってきて座った。
そして、私の額辺りから何かを外してゆっくりと手を当てしばらくするとわずかに微笑んだ。
「うん。熱はだいぶ下がったみたいだね。どうだい?体は痛むかい?」
その人は優しく私に問い掛ける。
「すこ…し……」
その問いに私は想像以上に掠れた声で答えていた。まだ、声が安定しないのだ。
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