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すると先程、画面上に一番最初に現れた文字がちらりと姿を現した。これだ。
「あった」
ほっとしたようにそう呟くと、ヤシロは其所を人差し指と親指でつまむようにし、サッと勢いよく抜き取った。他のゴミもつられて、ポロポロと床に落ち、転がる。
だがそんな事を気にする様子もなく、ヤシロは早速説明書の目次を開いて、"アプリ"と小さく口に出しながら、ゆっくりと指を滑らせる。
ヤシロの指が止まった。バサバサと音を出しながら、高速で頁が捲られる。
その音も止み、ヤシロの目が一点に釘付けになる。"ダウンロードについて"と、でかでかとタイトルが書かれた後に、その方法が、親切に書いてある。
まずは、アプリのサイトにアクセスし、それからお目当てのアプリをダウンロードしなければいけないらしい。
パケットし放題だかなんだか…取り敢えず、パケット代のサービスに入っておいて良かった。
それから、携帯からのインターネットへの繋ぎかたも説明書でチェックし、書いてある通りのボタンを押した。繋がった。
慣れない手つきで"Mobile Monster"と打つ。
Mobile Monsterとは、最近話題のゲームで、携帯から立体映像のモンスターを召喚し、バトルするというものだ。配信元は不明。ヤシロも気になっていたが、携帯を持たせて貰えなかった為に出来なかった。
しかし、16歳の誕生日である今日、念願だった携帯は今、ヤシロの手の中に収まっている。
それは、検索結果の一番上に表示された。
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