107人が本棚に入れています
本棚に追加
第111話
凛
「そしたら前方から悲鳴が聞こえてきてな」
夕紀
「それが私達ですか?」
凛
「犬が喧嘩していたんだ」
夕紀
「人ですらないですね!?」
俺
「そもそも俺達は悲鳴あげてないだろ」
凛
「まぁ喧嘩両成敗って事で」
夕紀
「犬達を殴ったんですか?」
凛
「いや、噛まれかけた」
俺
「両成敗されかけてどうすんだ」
凛
「で、逃げてきたら俺がいたわけだ」
夕紀
「経緯はいずれにせよ、帰ってきてこれて良かったですね」
俺
「今日は天変地異が起こる日か」
夕紀
「本当に、凛さんの事をどう思ってます?」
俺
「ドジョウかナマズみたいな」
夕紀
「どちらも地震のまえに兆候を起こす魚ですね」
俺
「そもそも姉ちゃんが無事に帰って来れた時点で怖いんだ」
凛
「失敬な」
俺
「自分が今までしてきた事を振り返ってみろ」
凛
「ただ帰ってきただけだな」
夕紀
「半分はあってますけども……」
凛
「あ、財布が無い」
俺
「また嫌な予感」
夕紀
「あ、あはは……」
最初のコメントを投稿しよう!