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「いつまで笑ってるんですか。いい加減何処か行ってくださいよ、気が散っちゃうんで」
笑っているのが何だか癪にさわったため、私は精一杯の嫌みを込めて先生に対してそう言った。
普通だったら傷付いたりするんだろうけど、先生は痛くも痒くもないかのようにまたいつもの何を考えているか分からない笑顔を私に向けた。
「相変わらず手厳しいこと言うね。いい加減俺も泣くかもな」
「泣きたいのは私ですからっ! いつもいつも私の所に来て私の邪魔したり嫌がらせばっかり! 先生こそ、いい加減にして下さいっ!」
「邪魔や嫌がらせをしてるつもりはないんだけど」
頭の中でかけた暗示は吹っ飛んでしまったみたいで、私はまた声を荒げてそう言い返していた。
先生はそんな私に対してさらっとそう言い返すと、何を思ってなのか私に顔を向けてまじまじと見つめ始めた。
正直に言うと、先生はイケメンと言われる部類に入る顔立ちをしているため女子生徒から人気がある。しかもイケメンな顔立ちをしているくせに気取ったりせず、ましてやちゃらんぽらんな性格というのが親しみやすいのか男子生徒からもウケがいい。
そんな、イケメンで人気な先生から見つめられたら、流石の私も戸惑う……わけがない。私をそこら返の女子生徒と同じと思ったら痛い目をみるだろう。
「あまり見つめないで下さい鬱陶しい」
「……手厳しいね」
先生はそう言うと、私から顔を逸らして窓の外へと顔を向けた。
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