金髪碧眼はエロい子だと僕の直感が告げる

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 4月と言えば『出会い』というワードを思い浮かべる。新学期やら新生活やらで、必然的に出会いは訪れる。  かくいう僕、阿智良 湊(アチラミナト)もその出会いとやらに少なからずいや、かなりの期待を抱いていた。  ありがちな小説の導入ならここらで、パンを加えた美少女が、どこから声を出しているのかわからないが「遅刻、遅刻~」と叫びながら全力疾走。  その後、彼女は遅刻しそうなのにも関わらず、同じ学校に通う主人公はノンビリ歩いて、偶然にもそのヒロインと曲がり角でぶつかる。あわよくばそれによりパンツを見るなんて事もある。  まぁ、ヒロインの印象付けとしてなら、在り来たりな内容だが、僕としては嫌いじゃない。  つまり、その条件を満たせば、癖っ毛気味の僕でも、髪のいじり方を知らない僕でも、二重ですべすべの肌を持つ中性的な顔立ちの僕でも、170センチ前後と、さほど高くもない身長の僕でも、細身な僕でも。  僕はその女の子と、イチャイチャウフフでにゃんにゃんな関係を築けるに違いない。  だからこそ僕は、始業式の今日角でパンを加えて遅刻遅刻~と叫んで走る少女を待ち伏せしている。  題して『高校2年生ってギャルゲの主人公に在り来たりな設定だから、角で美少女とぶつかっちゃおう大作戦』である。  ネーミングセンスがありすぎて困っちゃうぜ。  この作戦の為に僕は朝の6時から待ち続けている。だが、だからと言って街の人に変な目で見られているわけではない。  制服を着て、角にそびえ立った電柱に背中を預け、携帯をいじる。他人からは待ち合わせしている学生、にしか見えないはず。なんとも完璧な演技じゃないか。
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