100円やるからそこを変われ

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「新学期早々遅刻は、中々やってくれるじゃないか阿智良、えぇ?」  ぼくはただ今新しいクラスの担任となった体育の教師と同じくらい熱血であるという噂の、数学教師、長枝(ナガエダ)先生に絶賛、お叱られ中だ。  それもまだ顔の知れぬ人達ばかりの新クラスでの教卓の前、つまるところのクラスメイトの前で説教されている。恐ろしい、実に恐ろしい。 「なんで遅れたのか理由を言ってみろ」 「ggrks」  その瞬間、まだ慣れ親しんでいないはずのクラスが爆笑の渦に包まれた。これもしかして人気者のフラグ来たんじゃね? 「ほほう、そうか貴様はこの高校を辞めたいんだな」 「嘘ですごめんなさい、調子に乗りました」  速攻で土下座をする僕、プライドよりも将来を優先する。これ常識ね。 「じゃぁ何なんだ、早く言え」 「えっと…………」  あれ、これ僕が本当のこと言ってもまたふざけたと思われて、人生の負け組ロードに路線変更を余儀無くされるのでは?  だって、美少女を待ち伏せして、そのままラブコメのごとくぶつかろうとしたところ、その子に「残像だ」と言われたから暫く放心してました。  こんなこと言って信じる先生居るの?僕は信じるどころか「中二病乙」って返すよ。
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