100円やるからそこを変われ

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 どうしたらいいんだ、この場における最良の選択肢を僕は知らない。  僕の額に浮かぶ冷や汗、緊張するとすぐに顔に出るんだよな僕って。 「どうしたんだ阿智良、早くしろ時間はないぞ」  長枝からも催促された、そんなのわかるよ馬鹿者が。 「えっと……寝坊しました」 「だとおもったよ、早く席に座れ」  分かってるなら訊くんじゃねぇよクソヤロー!!  と言ったような心の叫びをあげて、窓側の後ろから二番目の位置にある空席に向けて歩き出す。 「よう湊、初日から遅刻とは、まるで合コンの時にわざと遅刻して印象づけようとしてる、アホな女みたいだぞ」  となぜかリアルな喩えをして挨拶を交わす僕の敵、つまるところのイケメン君は僕の小学生時代からの友人、いや悪友である。名前は鹿乃 一路(カノイチロ)。  イケメンで若干サディストな彼は、憎たらしいことにリア充だ、うらやま……じゃなくて爆発しろ。  
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