始まり

9/10
前へ
/813ページ
次へ
・・早く・・部屋からでないと・・・! でも・・・! 陽菜は鏡に魅せられたように、じっと視線を鏡に這わせた。 よく見ると小さく亀裂が走っている。 不思議に思って下を見ると、手のひらほどの大きさの欠片が床に転がっていた。 ・・さっきの音は。これが欠けた音・・? 危ないと思うのに。 欠片を拾いたいという衝動を抑えきれない。 陽菜は、その欠片に震える手を伸ばした。 そのまま、欠けている部分にぴたっとはめる。 ・・・あれ・・? まだ足りないピースがある・・・? 陽菜は首を傾げた。 その瞬間。 鏡が一際激しく光った。
/813ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加