さくらside

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翔ちゃんが作ってくれるココアは美味しいなぁ。 そんな事を思いながら、さくらは最後の一口を飲み込んだ。 「さくらちゃん、そろそろ帰ろうか。」 さくらがココアを飲み終わったのを確認すると、翔ちゃんがそう言って立ち上がった。 さくらは頷くとソファーから降り、翔ちゃんの隣りに着いてリビングを出ようとした。 とその時、何かにつまづいた。 ――えっ…? 床に向かって倒れていく身体。 さくらは思わずギュッ。と目を瞑った。 ――――――― 身体に軽い衝撃。 が、傷みは全く感じない。 さくらは恐る恐る瞼を開けてみた。 すると、さくらは翔ちゃんの上に乗っかる様にして抱き締められている。 翔ちゃんが助けてくれたんだ…。 ――!/// ホッとしたさくらは、胸の違和感に気付く。 て、手が……/// さくらが固まっていると、翔ちゃんはさくらを抱いたまま上半身を起こし口を開いた。 「さくらちゃん、どこも痛いとこない?」 横から顔を覗きこんで心配する翔ちゃんに、さくらは小さく頷く。 すると、翔ちゃんは『はぁー。良かったぁ。』と抱き締める腕に少し力を入れた。 さくらの胸に当たっている翔ちゃんの掌が、その小さな胸をキュッと包んだ。 「あッ…///」 思わず小さな声を漏らして震える身体。 は…恥ずかしい/// どうしよう…/// 思わず出てしまった声に、益々恥ずかしくなり赤面するさくら。 「ごめんね、俺が空気清浄機出しっぱなしにしちゃったから…。」 さくらが一人恥ずかしがっていると、翔ちゃんは抱き締めていた身体を離してさくらを立たせた。 「/////」 恥ずかしさで翔ちゃんを見る事ができない。 さくらは、赤面する顔を見られたくなくてうつ向いた。 すると、頭上で翔ちゃんが小さくクスッ。と笑った。 「じゃ、帰ろっか。」 翔ちゃんはそう言うと、さくらの手を取りリビングを後にした。 その後、さくらの家に着くまでずっと手を繋いでくれた翔ちゃん。 さくらは先程の事が恥ずかしくて、ずっと翔ちゃんの顔をまともに見る事はできなかった…。
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