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さくらちゃんと出会ってから一ヶ月。
あれから、さくらちゃんは毎日の様に家に遊びに来ている。
それは拓真達と一緒だったり、さくらちゃん一人だけだったり。
特に何をするという訳ではないのだが、たまに宿題を教えてあげたりしている。
懐いてくれるのは凄く嬉しいんだけど…
たまには同級生の友達と遊ばなくていいのかな?
そう思いながらも、今日もさくらちゃんの学校までお迎えに行く。
懐かれてると言うより…俺の方がさくらちゃんに懐いちゃってるのかも。
そう思うと、思わずクスッ。と笑みが溢れた。
暫くして小学校の校門前へ着くと、既にさくらちゃんが待っていた。
こちらに気付くと、笑顔で駆け寄ってくる。
ホント可愛いなぁ…。
「――翔ちゃん。」
俺の腰に抱き付くさくらちゃん。
「ごめんね、待たせちゃったね。」
そう言ってさくらちゃんの頭を撫でる。
さくらちゃんは、笑顔でこちらを見上げながら首を左右に振る。
そんなさくらちゃんが堪らなく可愛い。
俺達はいつもの様に手を繋ぐと、自宅へと向かった。
マンションへ着き、エントランスに入ろうとする。
すると――
「――翔っ!」
背後から声を掛けられ、俺は振り返った。
そこにいたのは―――
「……紗英ちゃん。」
羽田紗英だった。
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