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「お待たせしました。」
次々と豪華な料理がテーブルの上に運ばれる。
なんの宴会かと思うかもしれないが、運ばれた料理の先には大きな椅子に優雅に腰かけた男しかいない。
「ご苦労。」
この男の名は際目 綾夢(さいめい あやむ)。
名高き際目コンツェルンの若社長である。
際目コンツェルンは今や鉄道、貿易会社、病院などを全国に経営している、日本でもトップを競う大企業である。
「旨いな。」
綾夢は自分の才能に酔いしれていた。
一族の中でも一番稼いでるのはやはり綾夢だ。
しかし決して努力をしているわけではない。
狙うものには金を全力で注ぎ込み、権力でもぎとってきた。
皮肉なものだが、金で奪いとることで、金は数倍にも増えた。
おかげで綾夢はあまり手を尽くさず、企業競争にのしあがってきた。
いわゆる勝ち組である。
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