前を向くということ

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そんな虎に、俺は言う!! 「なんだか…今の虎を見て、目が覚めたよ…!! 虎さぁ、一生懸命に修行してる理瀬さんに、なんてこと言うんだよ!! ちょっとさぁ、酷すぎるよ!!!」 すると、虎は一言。 「おいおい、紅のくせに生意気な」 理瀬さんは、俺に歩み寄る。 「いいのよ紅くん。 修行する人間は、何かしらの形で差別されるのは当たり前のこと…。 日々、身心を鍛えている私にとっては、これぐらいなんてこと無いわ」 俺は、そんな理瀬さんに言う!! 「…だからって、どうしてさ、頑張ってる人が否定されてるのを黙って見てなきゃいけないの!!?? 理瀬さんは立派だよ!! ただ…立派過ぎて、見ていてなんだか心が痛くなってくるんだよ。 理瀬さんは、れっきとした『女の人』なのに…。 なのに、あんな酷いことを言われるのは間違ってるよ…!!!」 その時 理瀬さんは、呆然とした表情で俺に言う。 「…私…今まで… 修行に明け暮れてきて…強くなって… 男よりも、断然強くなって。 当然、男たちからも恐れられるようになって……… なのに、そんなふうに… 男に優しくされたのは、初めてかも………」 …り、理瀬さん…? どうしたんだ、いきなり…?
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