前を向くということ

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さて、寝よう。 本格的に、気の済むまで。 おやすみー。 その時。 「紅ー。 いつまで二度寝してやがるんですかー? 早く行きますよ~? 早く布団から出てこないと、大変なことになりますよ~?」 …虎の声がする… うるさいなぁ…。 「お~い、紅くぅ~ん?」 …だから、うるさいっての…。 そんなに修行したかったら一人で行ってくればいいんだよ。 「く~れ~な~いぃいいいいい~~~?」 うるさい… 早くどっかに行けよ。 立ち去れよ本当に。 消えて無くなれよ。 お願いだから。 神様仏様、一刻も早く、このうざったい男が立ち去るようにしてください。 コノヤヌシタナー、ハンユツムヌヌ。カクリングイシフン、フアグイシウン、イシヒヒウヌ、ウンツカイヤラバ、イシグチニカイリ、シニヒトウヌ、ウンツカイヤラバ、シニグチニカイリ、ミナナチアルウンジュー、マヤーニビマチシブン、フチナナチアルウンジュー、マヤーヌタチマチシフン。クヌジンムヌユキキドンヤラバ、カゼラカラホースンドウ、マカゼラカラサースンドウ。 (沖縄県八重山地方に伝わるネズミを駆除する呪文『ウンジュー・マヤー(猫鬼)』) その時。 スタスタ…と、足音がした。 良かった。虎さん、やっとお帰りになるご様子ですね。 ウンジュー・マヤーの呪文が効いたみたいですね。 良かった、良かった。 その瞬間 「だりゃぁあああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!」 ドガゴーン!!!!!!! 「ふぎゃぁあああああああああ!!!!!??????」 俺は、ベッドごと 虎の腕力によって、見事にひっくり返された!!!!!!!!!!!!
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