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「…行くな」
ぼそりと零した本木は俺を見つめた
「いなくなるな…」
「…だから氷取ってくるだけだって」
「いい…ここにいろ」
本木の手が熱い
熱が上がっているのか息の荒い本木は俺を睨む
「…じゃあ濡れタオル。それならすぐだから…ね?」
本木の目を見つめて囁く
「っ…早くしろ」
未だに睨んだままの本木に苦笑してしまう
「わかった」
立ち上がって部屋から出る
リビングに置かれた小さい棚を漁ってタオルを探し出した
水で濡らして部屋に戻る
「…っ遅い」
本木は上半身を起こして睨んできた
「はぁ…寝てろって」
「うるせぇ…さっさと来い」
「…お前がちゃんと寝たらそっち行く」
睨んでくる本木を壁に凭れ掛かって見つめた
「…っくそ」
本木は髪を掻き毟ってベッドに戻って俺を見つめる
「…早くしろ」
「……」
なんだろこの生物…
壁から離れてベッドの端に腰を下ろす
本木の額にタオルを乗せると本木は息を吐いて目を瞑った
「…大丈夫?」
「あぁ…」
目を瞑ったまま返事をした本木
そろそろ部屋戻らないと
ヤマト起きたら心配させるかもしれない
「…大丈夫なら俺戻るな…っ」
「っおい」
また腕を掴まれた
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