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「ここにいろって…言っただろ」 「大丈夫なんだろ?だったら俺は必要ないだろ」 眉を下げて言うと俺の腕を掴む本木の指がピクリと動いた 「っ!?」 腕を引っ張られ本木の顔が近づく 前のめりに倒れた体は本木の上に倒れた 「っ本木」 「…必要だ」 眉間に皺を寄せた本木は反対の手を俺の首に回した 「ここにいろ…ずっと」 「ずっとっていつまでだよ?本木が寝るまでか?」 「っ違う」 首に回った本木の手に力が入る 「遠野…」 「っ!」 この目…苦手だ 「ずっと…俺のそばにいろ」 「…なんで」 本木の手が焼けるように熱く感じる その手が首から頭に移動した 「っ本木…離して」 「嫌だ」 「駄々っ子かよ」 「悪いか…」 睨む本木の手が俺の髪を解かす 「遠野…頼む…そばにいろ」 「っ…」 まっすぐ見つめてくる本木は目を細めた 「……イチ」 「っ!」 「そばにいてくれ…」 瞼を閉じた本木は寝息を立て始めた 熱い… 「…っ戻らなきゃ」 力の抜けた本木の手から逃れて部屋から出て階段を駆け下りる 『……イチ』 耳が熱い 耳を擦ってヤマトのいる部屋に向かった 「っ!」 「どこにいた?」 階段の下でヤマトが俺を見上げた
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