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夏休みも終わって
あの一件からみんな普通の日常に戻った
イチも元気になって
本当
元気に…
「待てこら!ジンっ!!」
「しつこいっての!」
昼休みの食堂で昼飯を食べていれば廊下から聞こえた叫び声
「あ!コウタっ!」
「おわっ!ちょっ!!」
食堂内に走り込んできたイチは俺を見つけるなりテーブルを飛び越えてそのまま俺の後ろに隠れた
「どこ行きやがった!!?」
食堂内に入ってきた不良数人は辺りを見渡す
「はぁ…今度は何したの?」
「何もしてない…アイツらがいきなり追いかけてきただけだもん」
体育座りで頬を膨らませたイチは上目遣いで俺を見つめた
もんって…
「たく…俺忙しいのに」
「何かあるの?」
「うん。ヤマトと病院行ってくる」
この話をするとイチは無意識なのか傷を触る
「ご飯食べる暇なくなっちゃう…」
ぼそりと呟いたイチはケータイで時間を確かめた
「どこだジンっ!!」
「あ~…早くいなくなれ~」
「クスッ…我慢我慢」
頭を撫でればイチはじっと俺を見た
「…?」
「出て来い!隠れてるなんて女々しいぞ!!」
「誰が女々しいだ!こらっ!!」
「イチ…」
叫びながら立ち上がったイチに溜め息が漏れた
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