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―ガチャッ
明け方近く、兄ちゃんがビルに戻ってきた
「…怪我してる」
「ククッ…あぁ…久々に楽しめた」
口角を上げた兄ちゃんは向かい側のソファに凭れ掛かる
「…面白い…BARONGとARGUSが手を組んだ」
「え?なんで…」
いがみ合ってるって噂だったのに
「どうやらジンはお互いのグループにとって大切らしいな…」
煙草を取り出した兄ちゃんは俺を見つめる
ジッポをテーブルの上に置く
それを手に取った兄ちゃんは煙草に火を点けた
「…クククッ」
「何?」
「ARGUSのヘッド…ジンの事を言うと殴ってきやがった」
楽しそうに笑った兄ちゃんは紫煙を吐き出した
「…予定変更だ」
「え?…何すんの?」
兄ちゃんの目が光る
こういう時の兄ちゃんに俺は逆らえない
「壊せ…全部だ」
「…なるほど」
目を細めると兄ちゃんはまた笑った
やっぱり俺は兄ちゃんの弟だ
胸が高鳴る
「…楽しみだね」
「あぁ…」
大切なものを奪われたら
どんな反応するのかな
考えただけでも自然と口角が上がった
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