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「…ワタル」
俺の肩に腕を回したワタルは耳元で囁く
ワタルの行動にイチは俺から手を離した
「確かめれば?」
「は?…どうやって?」
目を細めたワタルはちらりとイチを見た
「ほら…女にはなくて男にはあるものを…さ」
「っおい…それでなかったらどうするんだよ」
「どうするって…その子が自分は男だって言ってんだろ?だったら確かめろよ」
…そうか…そうだよな
このままじゃ俺も気持ち悪い
「はぁ…イチ」
「…何だよ」
息を吐いて未だに睨むイチの腕を掴んだ
「…ごめんっ」
「?…っ!」
イチの腕を引っ張る
密着するイチの体に手を伸ばした
この手の感触
「…付いてる」
マジかよ
「…スバル」
「え?…っ」
俯いていたイチが顔を上げて俺を睨む
赤らんだ顔と若干潤んだ瞳
怒りで震えてる体が…ヤバい
「っから…いつまで握ってんだ!!」
―ゴスッ!!
頬に激痛が走った
反動で後ろに倒れる
「…え?」
視界に広がる天井
上半身を起こすと拳を握って睨むイチ
え…俺、イチの拳に吹っ飛ばされた?
あんな細身の体に?
って…
「っごめんイチ!」
急いで起き上がって床に手を付いた
どうしよう…嫌われたかな
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