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イチが逃げないように壁に追いやる 俺の行動にイチは驚いたがそれでも背中に回った腕を離そうとはしなかった 「ヤマト…どうしたの?」 背中を擦るイチは俺の顔を見ようと見上げる その目を見つめ返すとイチは俺の言葉を待つ こんな事を俺が言うのはおかしい それでも… 「…他の奴に触らせないで」 「え?」 「嫌なんだ…イチが他人に触られるのが」 イチの頭を撫でる Yシャツを掴むイチの指がピクリと動いた 「ヤマト…なんで…」 「ごめん…俺、イチが他人に触られるの見ると…アイツを思い出す」 アイツは俺の目の前でイチを襲おうとした 「っヤマト…ハジメは「わかってる」 イチの言葉を遮った イチが言いたいことは想像できる アイツはイチにとって大切で アイツにとってもイチが大切 そんな事はわかってる 俺がアイツを越えられないことも アイツ以上にイチが誰かを好きになれないことも わかってるつもりだ 「それでも…イチが誰かに触られるのは見たくない」 「…ヤマト」 Yシャツを掴むイチの手が離れた 「っごめんイチ…忘れて」 体を離して笑顔を向ける 俺を見つめるイチは何か言おうとしたが眉を顰めて口を閉ざした
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