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笑顔を向けるヤマト
でもヤマトの笑顔じゃない
何か声をかけたくて口を開くが何も出てこない
「…体育館戻ろう」
目を細めたヤマトがドアに手を伸ばす
…っダメだ
「ヤマト」
「っ!」
ヤマトの背中に触れた
「…ごめん」
「っなんでイチが謝るの?」
こちらを振り向かずに聞いてくるヤマトの声が感情を押し殺していた
ごめん
ヤマトを傷つけてばかりだ
「…大丈夫だよ…もう触らせないようにするから」
そっと抱きつく
ヤマトが傷つかないなら
俺はヤマトの言うとおりにする
だから…
「お願い…こっち向いて」
「っ…」
俺の手にヤマトの手が重なる
手から力を抜くとヤマトは体ごと振り返った
ヤマトを見つめるとヤマトは耳元にキスを落とす
その後も額に瞼に、頬にキスが落ちる
額を合わせたヤマトはピタリと動きを止めた
「…ヤマト」
ヤマトの背に腕を回して目を細める
ヤマトが望むなら俺は全て捧げるよ…
そのままヤマトの頬に口付けた
目を見開くヤマトに微笑んで胸元に顔を埋める
俺の体に回ったヤマトの腕に息を吐いた
お願いだから…我慢しないで
これ以上大切な人が傷つくのは見たくない…
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